あこう絵マップコンクール2020
審査委員講評
(敬称略)  




こども達と実行委員会の思いがひとつになった


あこう絵マップコンクール実行委員会会長
審査委員長

尾上 欣也

 今年度は、世界中が新型コロナウィルス感染症対策に追われる中、こども達の生活が大きく変わりました。休校措置や夏休み短縮によりこども達の学習環境は大きく制約を受け、絵マップコンクールの開催を断念せざるを得ない方向でありました。
 しかしそのような状況下でも「連続参加しているこども達は、開催を楽しみに待っているのではないだろうか」という意見が実行委員会で出され、それに賛同する多くの委員から「一人でも楽しみに待っているこどもがいるならコンクールをやってみよう」という声があがりました。結果的にYouTube配信による公開審査を実施することができましたが、今年度コンクール開催までには紆余曲折がありました。作品づくりをがんばったこども達にも同様の苦労があったであろうことは推察できます。
 そのような中で応募してくれました15作品(内7名が5年連続応募賞)は、どれも力作ばかりでこども達とご家族の情熱には頭が下がります。これまで17回を数えてきたコンクールに対して、こども達と実行委員会の思いがひとつになった結果ではなかったかと思います。
 聞くところでは、近畿地区において今年度行われた地図作品展は、本コンクールだけだそうです。おそらく全国においても作品展の開催状況は限られたものとなっていることでしょう。そのような大変な状況下でも赤穂の魅力を絵マップというかたちで発表してくれました15作品応募者のみなさんには大きな拍手をおくります。
  最後になりますが、最優秀作品に輝きました「先人の貴重な文化遺産旧赤穂上水道」城西小学校6年生畑中彩希さんをはじめ全国作品展に出品が決定しました7優秀作品には、今年度あこう絵マップコンクール15作品の代表として全国での高い評価を祈ります。



素晴らしき「あこう絵マップコンクール」
万歳!



審査委員

国土地理院近畿地方測量部

次長 
千葉浩三

 2018年に初めて審査委員として赤穂を訪れて以来三度目の参加でした。それまでは赤穂義士以外の知識がなかったのですが、皆さんの作品から赤穂の自然や文化・歴史をはじめ、家族との楽しい思い出や地域への愛着などが心に伝わってきました。私の故郷が五万石の城下町(福島県三春町)という共通点もあり、おかげさまで赤穂がよその土地とは思えない親近感を覚えるようにもなりました。
 今年はコロナ禍により作品作りにご苦労されたことかと察しますが、15点の力作が出展され、どの作品も甲乙つけがたく審査員泣かせの作品展となりました。また、コンクール運営においてはコロナ感染対策という制約を受けながらも、審査会の様子をYouTube配信された皆様のパワーに、赤穂義士の土地柄を感じました。
 このような素晴らしいコンクールが今後も継続され、赤穂市の益々のご発展に繋がることを心よりお祈り申し上げます。



わがまち赤穂再発見!
21世紀を担う子ども達


審査委員

赤穂市文化会館

館長 西山由哲
 今回初めて、審査委員として参加させていただきましたが、出品された作品すべてから赤穂の魅力を再発見することができ驚きの連続でした。
 感染症の影響により限られた時間の中で、「大人では思いつかない子どもならではの視点」でまとめられていたことに大きな感動を覚えました。
 この絵マップでは、自分の五感をフルに活用して物に触れたり、様々な直接体験を通して日常生活では得難い知識や視野を広げることができたことは一生の宝物だと思います。
 周りから強制されるのではなく、自分が「知りたい」「追求したい」という素直な思いから出かけ、何をどこへ描こうか、どんな地図にしようか、迷いながら仕上がった作品だと思います。
 人が最も成長するのは「自分で考え、悩み抜いた時」だと言われ、まとめ上げる過程で「本当の学び」があったものと信じています。不透明な時代と言われる未来を皆さんで支え乗り切ってくれることを期待しています。
 コロナ禍の中、審査会に参加できなかった子ども達のために、動画配信を企画された関係者の皆様のご苦労に感謝申し上げるとともに、ふるさと赤穂を支え21世紀を生き抜く子ども達のために継続した活動をお願いいたします。本当にありがとうございました。


現場に足を運び、話を聞き、
自分の世界を広げて



審査委員

関西福祉大学教育学部

講師 金子美里

昨年に引き続き審査委員をさせていただきました。昨年とは状況が違い、外出も注意がいる中でしたが、現地に足を運び調べた跡が見られる作品がたくさんあり、絵マップ制作への熱い思いを感じました。
 私は、大学で図画工作科や造形表現を担当していることもあり、色や形、構図(紙面をどう使うか)材料の工夫、などに注目して審査を行いました。

 文字を見えやすくする工夫があったり、みんなで一生懸命に塗った塗り跡や、塗るだけでなく実際に盛り上げて山にしてしまったりと、制作を楽しんだ跡が見られました。また、情報収集する際に、人が見過ごしてしまうような形に注目して、個々の違いを紹介しているものもありました。
 じっくり見たり、発見したり、手で触って感じとったりすることも絵マップ制作を豊かにするポイントだと思います。発見したことを基に、調べ、話を聞くなど、自分の世界をどんどん広げることができますね。ぜひ、また挑戦してください!

 BACK